2月例会山行(積雪期登山研修)
高 倉 山 (1246.1m 三等三角点)
▲背丈を超す雪庇に挑む
今年も雪山山行は、雪がたっぷりある油坂周辺の山ということで高倉山となりました。皆楽しみに待っていたのですが、天気予報が悪くなったせいか参加者は当初の半分の5人になってしまいました。
当日は夜明け前から雨。本当に今日の山行はあるのだろうかと不安な気持ちで家を出ました。美濃市で4人が集合して、東海北陸自動車道を北へ走りました。雨はそのうちみぞれに、そして雪へと変わっていきました。白鳥インター手前からは吹雪とな り、視界は10mもないくらいでした。担当の鈴木さんに電話をすると、「もう暫くすると雪雲が切れる」とのこと。その言葉を信じて車を進め、集合場所の油坂峠に5時半、予定通りに到着しました。鈴木さんも到着し今日の新雪では山頂まで到底無理だが、せっかく来たのだから2、3時間は歩こうということになり、雪が止むのを待ちました。
1時間ほど待つと本当に雪が止んできたので、準備をし7時に出発しました。最初からワカンを付け、膝まで埋もれながらラッセルを交代して進みます。九頭竜湖に架かる橋を渡り正面の尾根に取り付きました。最初は急な所で、出来るだけ早く登り切り尾根筋に出たいのですが、かなりの新雪に苦労しました。
急だからといってジグザグに登るとかえって雪崩を引き起こしやすいので、直登です。ワカンならば新雪を蹴り込んで階段を作って登れます。壁のような新雪は手で雪を足元にかき落とし、踏みしめ階段を高くしながら登って行きました。先頭はかなりの労力を使います。息が荒くなったら次の人に譲って呼吸を整えます。何度もこれを繰り返し、やっとのことで尾根に取り付くことが出来ました。尾根に出れば歩きやすくなりました。734m辺りからはなだらかで、新雪は気持ちよく周りの山々も見え雪景色を楽しむことが出来ました。
鞍部を過ぎると背丈を越える雪庇が行く手を阻んでいます。私は「右手から回り込むんだなぁ」と思っていると、鈴木さんは「こういうのを見ると血が騒がない?」と言って闘志満々。私には理解出来ませんが、もう鈴木さんはピッケルや手で雪をかき落とし踏み込んでいます。これを繰り返してみごと階段を作って登りました。今峰さんはその階段の一つにピッケルを差し込んで、私達が乗っても階段が崩れないように補強をしてくれました。
予定の行程の5分の1程しか歩いていませんでしたが、チラチラ雪の降る天気はこれ以上良くなりそうもなく、9時半に歩くのを止めました。雪のブロックを積んで雪洞を作り、お昼です。雪の壁さえあれば風もなく暖かくラーメンが食べられました。
10時半、下山開始です。雪の下りは本当に歩きやすいのですが、ルンルン気分で歩けるのは尾根筋だけ。さあ、尾根を外れて取り付き点へ向かいます。上から見るとよくまあこんな急な所を登ってきたものだと感心するばかりです。そして、ワカンで出来た階段を慎重に降りて行きました。ふと顔を上げると静まりかえった九頭竜湖に黄色の欄干が映える箱ヶ瀬橋の美しい景色が目に入りました。しばし見とれてから無事下山。登りに2時間半かかった行程をわずか30分で下りてしまいました。
山頂には全く手が届きませんでしたが、ワカンの使い方を手取り足取り教えてもらえ、とても有意義な山行になりました。簡単な作りなのに素晴らしい働きをするワカンに惚れ込んでしまいました。 [竹中美幸 記]
[日 時] 平成27年2月15日(日)
[場 所] 福井県大野市箱ヶ瀬 九頭竜湖南
[参加者] 今峰正利、後藤 允、鈴木寛人、竹中美幸、林 靖子
[タイム] 美濃4:30=箱ヶ瀬橋7:00―1つ目鞍部を過ぎた辺り9:30~10:25―箱ヶ瀬橋11:15=13:30美濃(解散)
[地 図] 白鳥(岐阜1-4)、越前朝日(岐阜5-2)