6月バリエーション山行(白山禅定道探索シリーズ)  三ノ宿(1304.6m 三等三角点)、“三ノ宿”探索

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6月バリエーション山行(白山禅定道探索シリーズ)

  三ノ宿(1304.6m 三等三角点)、“三ノ宿”探索

宿捜し

▲三角点脇の林道で両隊の参加者一同

[白鳥隊]
今年の梅雨はよく晴れている。今日も天気が良さそうだ。白鳥隊は白鳥物産センターから白山長滝神社に向けて出発し、神社裏手の集落から始まる長滝林道も車で進む。林道の状態は良く、標高700mあたりの尾根まで上ったところで駐車。まだ先に続く林道を歩き、10分ほど歩いたところで尾根へ上がる。この杉植林地の尾根には、わりと良く踏まれた作業道がついている。ところが平坦な尾根はすぐ終わり、傾斜がきつくなっていく。周りに杉の大木や切り株が現れる頃にはさらに急勾配となり、作業道は不明瞭となっていく。アカショウビンがヒュロロローンと鳴いている。ブナやミズナラの大木も出てくる。汗だくである。
1時間30分かけて、漸くかつての白山禅定道である稜線上に出る。この地点は開けたちょっとした広場になっており、杉の大きい切り株がある。一昨年の探索時も“宿”とするには良さそうだよね、と言っていた場所だ。念のため探索してみるが、水気はあるものの石など全く無い。休憩したいところだが、ブヨにたかられて落ち着かない。すぐに再出発する。
大きい杉の古株、倒木の散乱する稜線を30分ほど歩けば、三之宿ピーク目前の鞍部を見下ろす地点に到達する。この先は本日の最重要探索ポイントのブナ林だ。下層植生はササとなっている。前回もここまで来ており、下見済みだ。一旦、鞍部から上がると、平坦地がところどころ点在する。左手に水の流れる沢がある。ここからは分かれて探索する。沢は深く、詰めていくと沢の左手は急斜面で取り付けそうにない。右側なら簡単に取り付ける。やはり“宿”最有力地点候補は、沢右手に広がる県境線上の平坦地だろう。
大きい木を目指して探索するが、意外と大きいブナがない。若いブナ林である。一度、伐採してあるのではないだろうか。ササの下には全く石が見つからない。そのまま探索しながら県境線上の林谷の峠まで進むことにし、北上していくと杉が見えてくる。到達すると平坦地は終わり、下り斜面となる。その際に5個ぐらいの20~30㎝ほどの石(積石に適した形・大きさを備えている)が階段状になっている所を見つける。杉の大きい古株もある。周りの表層を払ってみるが、それ以上の石はでてこない。石の数や土地の傾斜を考えると“宿“跡とは少し考えにくいが、本日初めての複数の石だった。
この先の峠には林谷林道が見えているので、三之宿頂上へ行くために引き返す。その途上和泉隊の一団と出会う。どこから出てきたのであろうか。この探索中石を見ていないので、今見てきた所を皆で見てみようということになり引き返す。先程の地点を見た後、峠に降りる。ここに来てようやく理解
できたのだが、林谷林道がこの峠からさらに延伸し、三之宿頂上付近まで行っているとのことだった。この先は林道を全員で歩き頂上で昼食をとることにする。行ってみると三角点は林道の真横にあった。そのそばには石積に適当な石が沢山固めて捨ててある。「怪しいなぁ」と言っていたが、可とも否とも言えない。これだけ立派な林道が頂上を通っているのだから、“宿”を破壊していても不思議ではない。
昼食をとった後、頂上付近林道横の怪しい平坦地を両隊で合同探索する。ブナ林の中には 50㎝ぐらいの自然石はあるものの、“宿”跡らしき石積跡を発見できなかった。探索を終了し、林道に戻り記念撮影後、和泉隊と別れ下山となる。下山途中「やはりこの沢の辺り怪しいよね」と言いながら下山して行った。今振り返ってみると、地面を掘る道具を持ってくるのを忘れていた。もう一度、探索するなら林谷林道が使えるので、今回も気になった沢周辺100m位を集中的に探すべきだろう。                   [鈴木寛人 記]

[和泉隊]
5時30分、白鳥物流センターに集合。隊長の鈴木さんから「未発見の宿を見つけても、そこにある物は絶対に持ち帰らないようにしてください」というお話しがあった。ひょっとしたら‥‥、と想像すると何かワクワクしてきた。我々和泉隊8人は3台に分乗して出発、九頭竜湖畔から林谷林道に入る。林道にトラブルがあったらそこから歩くとのことで心配したが、なんとか通れる状態が続く。途中、左からの枝谷に素晴らしく大きな滝が懸っていて、帰りにじっくり見ることにする。その先にゲートが有りドキッとするが、鍵がかかってないことが分かりホッとしてさらに進む。
林道を走ること約1時間。パーッと視野が開け景色が広がる。標高約1130m。駐車スペースがあったので車止めとし、そこから歩き出す。道は舗装こそされていないが平坦ないい道だった。林道の両側には食べ頃のフキやワラビ、ウド、イタドリなどが出そろっていた。それを横目で見ながら頂上を目指した。頂上まで林道が続いていた。頂上では皆で三角点を捜しに藪に入り、林道のすぐ横の藪の中に隠れているのを見つけ出した。1304.6mの三角点の上には「三の宿」と書かれたプレートが架かっていた。点名は「保谷奥」という。
まずは一服し、未発見の宿捜しに県境を目指した。すると県境付近の藪の中から白鳥隊の声が聞こえるではないか。あまりの速さにびっくりした。藪に突入して合流。笹などが生い茂っているいるが平坦なところで、何か見つかりそうな予感がしたが甘かった。大木、石などを目当てに捜し廻ったがそれらしき所は見つからなかった。長年の年月が経ち、埋もれてしまっているのだろうか。でも宝捜しのようで何とも言えず楽しかった。
その後、三角点の下で全員揃って食事をした。食事の後、気になるところを再び捜したが無駄であった。諦めて又二手に分かれ下山。帰りの途中、滝の所で車から降り写真を撮って白鳥物流センターに向かった。               [藤田純江 記]

山052

▲林谷林道で見た滝
[日 時] 平成26年6月14日(日)
[場 所] 岐阜県郡上市白鳥町長滝、白鳥町千田野  福井県大野市下半原 境
[参加者] [白鳥隊]今峰正利、白木貞次、鈴木寛人、村松哲彦  [和泉隊]後藤 允
竹中佳美、久田宗昌、藤井法道、藤田澄江、堀 義博、松本 良、馬淵 等
[タイム] [白鳥隊]白鳥物産センター集合出発5:30=長滝林道上部車止め6:00―県境稜線7:25―頂上下の平坦地7:55~付近探索~三之宿頂上10:30~11:00~頂上付近探索~11:50―車止め13:15=白鳥物産センター13:50
[和泉隊]白鳥物産センター集合出発5:30=林谷林道上部車止め6:45―三之宿頂上7:55~8:20―県境稜線8:35~白鳥隊と合流、宿探索~三之宿頂上10:30~11:00~頂上付近探索~11:50―車止め12:35=白鳥物産セ

ンター14:00(解散)
[地 図] 石徹白(岐阜1-3)、白鳥(岐阜1-4)

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