当初計画では、小原峠を起点に大長山と赤兎山の両山をそれぞれピストンの予定であった。ところが、山行を行った7月22日前後は、日本列島全体が記録に残るような猛暑に襲われていた。1000mを超えた地点からのスタートだが、樹林帯の登りは暑く体にこたえる。時折、沢を流れる水と風に心と体を癒やされるが、尋常でない暑さであることには変わりない。小原峠で參加メンバーの体力や日頃の疲労蓄積を鑑み、両方は登れないとの判断を下し、メンバーの多数決で赤兎山のみの登山とした。
コンディションはどうであれ、赤兎は素敵な山だと思う。丸みを帯びた山容が兎を連想させるので赤兎の名を冠しているようだ。美しく登りやすい、老若男女、皆に愛されている山。この暑さの中でも多くの登山者に出会った。
赤兎の山頂からは白山・別山を始め、奥美濃の山々の景観が広がる。奥美濃に際立つ三角錐「東の屏風」が我々の目を奪う。赤兎は山頂から進んだ避難小屋まで見どころが続く。池塘を進み、素敵な避難小屋を過ぎた東の端の少ピークまで進むと、我々の活動の拠点である両白山地を一望することができる。銚子から三ノ峰、別山、白山はじめ、願教寺、よも太郎、薙刀、野伏、小白山の稜線を通しで確認できる場所と機会はなかなかない。
時期が遅かったので花は諦めていた。しかし、雪の吹き溜まりがあった斜面には数多くのニッコウスゲが満開のまま残っており、我々の目を楽しませてくれた。猛暑の中であったが全員無事に下山をした。
帰りは皆で勝山城のラブリー牧場でアイスクリームを頂いた。ゆっくりの山行であったが、ともに山頂を踏み、下山後の楽しみを分かち合える集団登山の大切さを感じた良い山行であったと思う。山行には個々の想いがあるが、昇華して皆の目的に合致させることが大切だと感じた一日だった。素晴らしい山行にありがとうと言いたい。 [東明 裕 記]
[日 時] 平成30年7月22日(日) (晴れ)
[場 所] 福井県勝山市北谷町~福井県大野市上打波・石川県白山市白峰境 [参加者] 小林和雄(CL)、塩入英樹(SL)、梅田直美、神山敬三、佐藤正男、竹中美幸、東明 裕、野田紀子、久田宗昌、三宅一生、山本善貴 計11名
[タイム] 美濃国分寺5:30=赤兎山登山口駐車場7:50―小原峠8:35~8:45―赤兎山9:45~9:55―赤兎避難小屋10:15~11:10―赤兎山11:35―小原峠12:30―車止13:15~13:20=美濃国分寺16:00(解散) [地 図] 願教寺山(金沢8-3)