1月例会山行
兎層山(- 172m) ~ 岩田山(- 270m) ~ 舟伏山(3 262.0m) ~ 西山(Ⅳ 176.1m) ~ 金華山(2 328.8m) ~ 鷹巣山(- 232m)
日本百名山の著者深田久弥氏は、その白山の章の中で、「日本人は大ていふるさとの山をもっている。山の大小遠近はあっても、ふるさとの守護神のような山を持っている。
そしてその山を眺めながら育ち、成人してふるさとを離れても、その山の姿は心に残っている。
どんなに世相が変わっても、その山だけは昔のままであたたかく帰郷の人を迎えてくれる。」と書いている。
岐阜市民にとって、まさにふるさとの山とは金華山だろう。
低山とはいえ独立峰のようなキリッとした姿と、山頂にそびえる岐阜城天守閣は、時代を超えて変わらない。
私の学校の校歌にもかならず金華山の名があった。
71歳になる私の父は今でも金華山に毎週登り、金華山を愛して止まず、「なぜ金華山は百名山ではないのか?」といつも言っている。
私にとっても金華山は特別に思い入れが強い。
子供の頃から毎日のように遊び場として登り続けた。
岐阜を離れて東京や海外に渡っても、故郷のシンボルマークとして思い浮かぶのは金華山とその脇を流れる清流長良川。
自分の生い立ちとともに、山行活動のルーツはこの山にあると言っても過言ではない。
人には皆、己の心の山があると思う。
金華山は岐阜人の心の山であるとともに、父や私の心の山であり、百名山の一座であることに間違いがないと信じている。
ということで、新年最初の山行に金華山を選んでくれたことは、私の山行のルーツを探す上で大きな意義があったと思う。
リーダーに感謝! 金華山には2つの顔がある。
一つはロープウェイを基軸として、岐阜公園側から山腹西側に設けられた七曲がり、百曲がり、馬の背、冥想の小径、といった金華山登山道オールスター、いわゆる金華山表銀座。
二つ目の顔で今回私達が挑むのは、達目洞を中心とし鼻高ハイキングコース、岐阜城、三角点、東坂ハイキングコース、妙見峠、鷹巣山をめぐるいわゆる裏銀座。
銀座と呼んでも東坂以外はほとんど人がいないけれど、尾根道をずーっと辿っていくとても気持ちのいいトレイルである。
またこのルートは西側に伸びる山々や各務原アルプスまでつなぐことができ、岐阜のロングトレイルは全てがこの道に通じているのである。
今回の参加者は17名。山岳会の山行でも、単独ではなかなかこれだけの人数は集まらない。
金華山というネームバリューと標高も手頃な山がどれだけ人々を魅了するかを物語っている。
メンバーも皆個性的。今日が金華山16777回目という天然記念物級の超ベテラン、低山ハイクだから修行にならんと25kgの重さのザックを背負込む通称「修験者」のおっさん、金華山は子供の頃に登ったきりという人。
私にとっては金華山は日常のトレーニングルートであり、そこを皆で遊びながら登ることに特別の楽しみを感じたのでした。
朝7時に岩戸公園駐車場に集合。
そこから兎走山登山口の春日神社まで4台の車に分乗して移動する。
兎走山の標識はうさぎの絵も可愛らしく、なかなか魅力的だ。
もっとメジャールートになってくれればいいのにと思う。
ただし兎走山の山頂は低く、ほんの一瞬で到着。体を慣らし岩田山から舟伏山に向かう。
岩田山山頂手前の稜線まではかなりの急登。
我々の登りには全く支障ないものの、一般の方が逆ルートで下りで使う場合には相当用心された方がよい。
稜線に出ると後は岩田山を越えて舟伏山までお散歩コースでつなぐことが出来る。
舟伏山は山容もよく岐阜市内からもその独特の形容が美しい山ではあるが、山頂標識がない。
三角点だけがポツリ。
▲舟伏山の三等三角点
せっかくだから山頂標識くらい作ってあげてほしいものです。
舟伏山から一旦市街地に降りる。
降りた地点の日野一号古墳近辺でザックを下ろし、「露天喫茶タケナカ」の営業が始まる。
皆で地べたに座り、竹中リーダーが淹れてくれた美味しいコーヒーとお菓子をいただき、次の目的地、西山~金華山への英気を養ったのでした。
西山への登り口には、民家と民家の脇の空き地?をすり抜けて到達する。
こんなところをぞろぞろと通っていかれては迷惑かな、と思い足早に登山道に向かう。
西山への登山道は「切り立って“いない”岩の道」ということなので、安全かつ路面のバリエーションを楽しみつつ、山頂への歩を進めるのでありました。
▲西山頂上で参加者一同
▲西山の四等三角点
西山から金華山山頂までは鼻高ハイキングコース。
週末はいつも混雑する金華山も、この東の道すなわち裏銀座は閑散としている。
しかし、行程の気持ちよさは表銀座を凌ぐものがある。
岐阜市内で長い稜線歩きを楽しめるのはここくらいではないかな?と思う。
金華山山頂には西山から1時間ほどで到着。混雑する山頂広場を避け、三角点(二等)へ向かう。
ここは展望も無く地味な場所だが、金華山の三角点は知る人ぞ知る場所にあり、到達できたことだけでも感謝。
▲金華山の二等三角点
皆で楽しく昼食を取り、下山を開始したのでした。
下山に使う東坂ハイキングコースは金華山メジャーコースの一つ、岐阜城直下の垂直の岩場が望める好展望のコースである。
この岩場にはハヤブサが巣を作っており、それを知るバードウォッチャーたちが集う場所でもある。
我々もハヤブサの飛翔を見ることが出来た。
東坂を降りると妙見峠。
ここからスタート地点の岩戸駐車場はすぐそこだが、まだまだ時間に余裕がある。
よって、稜線上の西側に足を伸ばし鷹巣山へ。鷹巣山までの登りは100mを超え、皆最後の力を振り絞る。
最後の最後、急登が続き体力の限界を訴えるメンバーも出て来るが、リーダーの叱咤激励で全員が山頂に到着。
鷹巣山は花崗岩で出来た眺望の山。
眼下の切り立った崖や岐阜の全景を楽しみ、大満足して山頂での時間を過ごしたのでした。
鷹巣山から岩戸までは途中から林道を利用して、おしゃべりしながらゆったりまったり下山。
全員無事に予定より1時間早く下山出来ました。金華山。岐阜の低山ですが、考えさせられる事の多い山行でした。
緊張感あふれる登山や雪山を続ける中で、本当の登山の楽しみや山に登る行為のルーツを考えさせられました。
ということで、素晴らしい山行企画ありがとうございました。
[東明 裕 記]
[日 時] 平成29年1月22日(日)
[場 所] 岐阜県岐阜市 岩田~日野~明神洞~長森岩戸(長良川左岸沿い)
[参加者] 竹中美幸(L)、今峰正利、岡田清美、苅谷敬三、神山敬三、後藤 允、篠田喜美子、杉山美智子、竹中佳美、東明 裕、那須哲郎、林 靖子、久田宗昌、堀 義博、水谷嘉宏、山田昌孝、山本善貴
[タイム] 岩戸公園駐車場7:05発=岩田春日神社7:20~7:30ー兎層山7:50~7:55ー 鍋坂峠8:15~8:20ー岩田山8:40~8:45ー舟伏山9:15ー県道9:40~10:00-西山10:30~10:40ー金華山11:40~12:15ー妙見峠12:35ー鷹巣山13:05~13:10ー岩戸公園駐車場13:35~(車回送)(解散)
[地 図] 岐阜北部(岐阜4-3)