1月バリエーション山行(奥越の山シリーズ)
高 倉 山 (点名 面谷上、1246.2m 三等三角点)
高倉山は奥美濃を裏から望む標高1246.2m三角点の奥越の山である。
九頭竜湖の南に位置し、箱ヶ瀬橋から南南西に真っ直ぐ伸びる尾根を進むのみである。
6時に箱ヶ瀬橋駐車場に集合。前日の降雪が15㎝ほどある。
その下はすぐ地面であり、今回の雪山は根雪の無い新雪歩きが予想される。
6時20分、まだ暗い中ヘッドライトをつけ出発する。
箱ヶ瀬橋を渡った正面の沢から最短距離で尾根に取り付くことを選択し、沢に向かって左側斜面を登る。新雪に蹴りこむと落葉の地面がつま先に直接あたる。
▲最終到達地点の林の中で参加者の5人
枝につかまりピッケルを地面に突き刺しながら激急斜面を50mほど登ると、アンテナのついた電柱が立つ尾根に出る。
尾根に出ても急勾配は続き、雪のついたユズリハ群落に突入する。
常緑のユズリハの枝葉は当然ながら雪の下になく、先頭を行けば枝葉の落雪をかぶり冷たい。
尾根の734m頭の手前、緩やかになったあたりで太陽の日射し、ヘッドライトを外す。
尾根上に積雪があると言えども全て新雪、サラサラでラッセルは苦にならない。
ただ、立ちはだかる雪上に突き出た落葉低木が鬱陶しい。
それでも、人の丈ほどの低木からの落雪をかぶりながら直進するうちにちょっと嬉しい発見、コツをつかむ。
低木についた雪をはらうと、雪に曲げられた木が伸びあがり進路が開けるし、雪もかぶらない。
これだと思い、ピッケルで低木をつつきながら進む。
734m頭より先は、緩やかな登りが約束されている。
一度コルに降り、コブが二つ続く尾根のあたりからなかなか落葉低木が手強くなってくる。
850mへと標高が上がるとともに多少積雪も多くなり、雪の上に突き出た低木地帯に倒木やらつるやらが混じってくる。
くぐったり体をねじってよけたり。
枝を折って突き進めば、甘いクロモジの香が混じる。
二つ目のコブを越えると、今度は狭い尾根上はヒサカキなどの常緑低木地帯が出現する。
常緑樹は葉に雪がどっさりつき、樹体は横向きに押しつぶされ中途半端に雪に埋まり、邪魔なことこの上ない。
木の無い所に避ければ、膝から腰までの吹き溜まり。
木に登ったり深みにはまったりして突破し、一段落したところでかんじきを付ける。
今までは低木にひっかかるからつぼ足で来たのだが、腰までの新雪にはまると1mのラッセルにぐったりする。
標高1000mぐらいに達すると低木がすっかり気にならなくなり、リョウブに混じって高木が目立つようになる。
立派なナツツバキが出てくる。
尾根の東側は日陰と九頭竜湖からの吹き上げる風とが相まってか雪面も締まり、快適に歩ける。11時20分、登高を止め本日の終点とする。
高倉山三角点頂上の一つ手前、1148mピークの緩やかな登り尾根上である。
周りはすっかりブナ林。樹上にはヤドリギや熊棚がついている。
踏み込めば下層植生はササである。
帰路は往路をそのまま辿る。
常緑低木地帯に降りる手前でかんじきを外し、ツボ足になる。5人もいるので雪面はしっかりと踏み固められており、楽々下山。
840mの二つコブ地点に戻ると、高倉山頂上が左手に頭を覗かせている。
734m地点に戻ったところで、往路をそのまま下るか南寄りの緩やかな尾根を下るかを提案。
結局、往路と同じルートを選択する。
やはり電柱より先、沢に降りる斜面は厳しく、後向きになったりわずかばかりの枝につかまったりピッケルを突き刺したりして降りる。
斜面の踏んだ跡は倒木、落葉、岩、土の地面が露出していた。
箱ヶ瀬橋を渡り、14時20分無事駐車場に戻る。
[鈴木寛人 記]
[日 時] 平成28年1月16日(土)
[場 所] 福井県大野市箱ヶ瀬~同市持穴
[参加者] 今峰正利(L)、鈴木寛人(SL)、白木貞次、那須哲郎、村松哲彦
[タイム] 箱ヶ瀬橋駐車場6:00~6:20-734m尾根頭7:20-1070m地点(1148mピーク手前)
11:20-箱ヶ瀬橋駐車場14:20(解散)
[地 図] 白鳥(岐阜1-4)、越前朝日(岐阜5-2)