3月例会山行(積雪期登山研修) 美濃俣丸(1253.8m 三等三角点)~ 笹ヶ峰(1284.6m 三等三角点)

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3月例会山行(積雪期登山研修) 美濃俣丸(1253.8m 三等三角点)~ 笹ヶ峰(1284.6m 三等三角点)

山美濃又丸  山笹ヶ峰

▲美濃俣丸(上)と笹ヶ峰(下)の頂上で

3月21日、暗い中、広野ダム駐車場に着く。登山準備をする間に夜が明け、出発する。岩谷川が注ぎ込むダムの橋を渡ってすぐの湖岸道は雪に覆われている。陽が出たばかりだというのに寒さは感じられず、ツボ足で1時間ほどかけて湖岸道を歩く。登山口となる鈴谷川林道に踏み入ると、杉植林地の山腹から雪解け水が流れており、50mほど地面が露出している。取り付きの直登は難ありとみて、そのまま鈴谷川沿いに林道を進むことにする。再び雪に覆われたところで、かんじきをつけて進む。林道が美濃俣丸に続く尾根に巻いて戻ってきたところで林道を離れる。取り付きは雪がなく、この上の尾根は雪がないのではないかと思わせる。かんじきを外し、杉や椿などにつかまりながら体を引き上げ引き上げ杉植林地の急斜面をのぼる。しかし、広葉樹が拡がる尾根上はたっぷりと雪があり、長いラッセルの始まりを約束している。交替交替ラッセルする。先行者はいない。まあこんなものだろうとは思うのだけれども、時間がかかる。体が沈む。今回は荷重をかけてのラッセルがテーマだ。 広い尾根を過ぎ、美濃俣丸主稜の北西尾根にのったところ(912m地点)で展望が開けてくる。狭くなった尾根の先には、美濃俣丸の頂が見える。そこからの稜線は笹ヶ峰に続いている。しかし、美濃俣丸頂上手前に急峻な1115mピークがみえる。楽にはたどり着けない。 当初の予定は頂上10時、とんでもない。露出した岩尾根を巻き、1115mピークで11時となる。頂上を眼前にとらえながらの昼飯とする。10分ぐらいで補給を終え、頂上を目指す。近づけば近づくほど頂上の見当のつかない急斜面にラッセルを少しずつ刻み、12時に美濃俣丸頂上に到着する。出発から6時間かかった。 360度の展望だ。快晴である。これから進む稜線の先には笹ヶ峰、後を振り向くと三周ヶ岳へと続く稜線、周りには不動山、千回沢山、烏帽子山など奥美濃の山々が重なり合っている。ウキウキ気分の中、今日の行程を再考する。 当初計画では、本日10時美濃俣丸、15時不動山手前、明日は不動山と千回沢山をピストンして下山となっている。ところがこの荷重と気温の上がった中での雪質、へとへと具合。結論は不動山・千回沢山行程は難ありと判断し、天候不良時等のサブ行程に入れてあった笹ヶ峰を最終目標地点と定め計画を立て直す。これからこのコースの最高地点、不動山への分岐の1294m 地点付近まで行けば、明朝、陽が昇る前に出発し笹ヶ峰ピストンを2時間以内で終えて下山できるはず。3つ程コブを越えねばならぬが、とりあえず頑張ろうということになった。 頂上から急峻な下り、鞍部まで足にまかせて一気に降りる。雪面が割れ、低木が出ているところもある。一つ目の丸いピークに登る。その先は東側に雪庇の張り出す稜線、1288mピークは巻きながら進む。トラバースし終わり稜線に戻ったところで、前方から単独行者と出会う。昨日から一泊して天草山・笹ヶ峰を越えて来たのだが、もう一泊し美濃俣丸に向かうと言う。我々は、目の前のピークに立ち、本日の宿泊地点を見定める。 ここから不動山分岐の間に、稜線上に笹の出た広い地点がある。着いてみると、西側は笹に遮られ、谷から吹上げる風の風よけとなっており、よさそうな雪面である。本日終了予定の3時近くとなっていたので、そこでテントを張ることにする。夕食は焼酎を飲みながら鍋である。寝る前に外に出ると、星空の中雪面が白く浮かんでいる。日本海側の港町の灯りも輝いている。まだ夜になっても気温が下がらない。明日は雪が締まってくれるだろうか、と思いつつ寝ていると、テントを激しくバタバタ叩く音がしていた。 3月22日、4時起床。早速、外を覗く。夜中の音の正体は降雪ではなく、あられであった。新雪がなく、雪面は締まっている。アイゼンが効きそうだ。薄暗い中、5時30分、出発する。昨日のつらさが嘘のように軽快にすすむ。ところどころ割れた雪庇に気を配りながら、30分で笹ヶ峰の頂上に着いてしまった。頂上に立っていると陽が奥美濃の山々の中を昇ってくる。今日の天気も良さそうだ。 テント場に戻り撤収し、7時20分再出発する。雪が締まっている内に美濃俣丸を越えようと急ぐ。登り返しが続くものの、9時20分に美濃俣丸頂上に再び立つ。頂上からの急な下りも昨日のラッセルが見事についている。いい仕事をしていると思っていると、2組ぐらい登ってくる。楽そうに話しかけられると、ちょっと悔しい。そのうちズボズボはまるようになる。急斜面を降りきったところで、アイゼンからかんじきにはきかえる。広い尾根を下るころには雪が腐ってくる。かんじきも効かずにずるずる滑る。途中で昼飯を食べる。帰りの鈴谷川林道はそのまま歩かずショートカットし直接林道起点まで下ると、きれいに駐車場まで除雪されきっていた。                                       [鈴木寛人 記]

[日 時] 平成27年3月21日(土)~22日(日)

[場 所] 岐阜県揖斐郡揖斐川町門入・塚 福井県南条郡南越前町広野 境

[参加者] 今峰正利、小林和雄、鈴木寛人

[タイム] 21日 美濃国分寺跡駐車場4:00=広野ダム駐車場5:20~5:50―鈴谷川林道起点   7:00-1115mピーク11:00(昼食)-美濃俣丸12:00-1294mピーク手前鞍部15:00

22日 起床4:00~出発5:30―笹ヶ峰6:00-泊地(テント撤収)6:30~7:20-美濃  俣丸9:20-鈴谷川林道起点11:00-広野ダム駐車場12:10

[地 図]  広野(岐阜10-4)

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