自然観察と地形図の読み方勉強会

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7月自然観察会(自然保護委員会)
金草岳(1227.14m 二等三角点)、冠山(1256.60m 三等三角点)

「山の日」が8月11日に決まったこともあり,改めて「山に学び,山で楽しみ,山の自然環境を考える」ということで,岐阜県揖斐川源流の越美山地で自然観察会を実施しました。
4日は夕刻集合でしたので,夕食後、三角測量と地形図に示される三角点の基礎知識,尾根と谷の関係やピークおよび鞍部と等高線表示などを予習しました。とくに,1/25000地形図の等高線が10m間隔であり,10m未満のピ-クは表示されないので,隠れピ-クとも呼ばれます。また,気候や地形条件の違いが,生育する植物や植生に表現されていることを,スライドを通じて予習しました。
5日は冠山峠~檜尾峠~金草岳を往復する行程で,地形図の判読実習と植物の観察を行いました。稜線歩行の際には,①鞍部は下りの終点であり登りの始まりであること,ピークは登りの終点であり下りの始まりであること,②ピークのある箇所は等高線が閉じていること,③尾根はピークから派生し原則的には三つの尾根から出来上がっていること④隠れピ-クが地形図上にプロットされるとランドマ-クとして役立つこと等を確認しながら歩きました。 天候には恵まれましたが,湿度が高く無風状態でもあったため,檜尾峠までの樹林内のアップダウンには体温調節に意外とてこずりました。檜尾峠以降の稜線では,蒸し暑いながら,時折流れる涼風と草原内の花々,そして釈迦嶺とそれにつづく徳山湖や徳山富士,さらには部子山ほか福井の山々の眺望に癒される観察会になりました。
宿泊場所の徳山会館に戻った後,会館支配人の差し入れの地酒と,料理長からの山菜の和え物ほかのもてなしを受け,徳山湖周縁の山談義に花を咲かせました。
6日は前夜の小雨も上がり、曇天ながら予定通りの観察会を始めました。この日は,冠山峠~冠平~冠山を往復する行程で,地形図判読の復習と,開花期を迎えた植物の見分け方やブナ林を中心に,ブナ林が成立する場所や草原が分布する場所の環境条件を観察しました。なお,地形図上では一つの尾根として表示されていても,実際は,多くの小ピークがあることを体感し,1/25000地形図では,10m未満のピークが隠れピークとして,図示されないことを確認しながら冠山に向かいました。
まさに,湿度が高い梅雨の合間の山行でしたが,雨が降ることもなく,ヤマビルやマイマイガの幼虫に悩まされることもない観察会でした。今年は融雪時期が早かったものの,その後の低温が続いたため,花期が長く多くの樹の花・草の花が観察できました。参集者それぞれの体力に合わせた行動がとれ,意義のある催しとなったようです。
以下に,両日に観察できた主な植物をあげておきます。(オオナルコユリ・ササユリ・ニッコウキスゲ・コバイケイソウ他、全38種類-省略)                 [西條好廸 記]

[日 時] 平成26年7月4日(金)~6日(日)
[場 所] 岐阜県揖斐郡揖斐川町塚、福井県今立郡池田町楡俣・田代 境
[参加者] 影山秀雄、後藤 允、西條好廸、白木貞次、鈴木寛人、高木基揚、藤井法道、      影山千代子、清水友子、他1名
[地 図] 1/20万;岐阜   1/5万;冠山   1/2.5万;冠山、宅良

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